男女二神が頬を寄せ合う姿と、その足元に刻まれた蓮の花が印象的な双体道祖神です。
下竹田中通りにある「路傍の情熱」とよく似た構図を持ち、像の下に仏教を象徴する蓮の花が添え彫りされていることから、仏教の影響を受けた道祖神と考えられています。
男神は女神の肩をぐっと引き寄せ、女神は法衣の裾を大きく広げています。互いの頬が触れ合うほど寄り添った親密な姿でありながら、二神はともに正面へ静かに視線を向けています。
そのため、動きのある構図とは対照的に、全体からはどこか落ち着いた雰囲気が感じられます。こちらをじっと見つめる二神の表情も、この道祖神ならではの見どころです。
また、この道祖神はかつて「疱瘡神」としても厚い信仰を集めていたと伝えられています。
幼い子供が疱瘡にかかると、ウツギの赤い幹を切り、金一封とお神酒を供え、病が軽く済むよう祈願したといわれています。医療が十分ではなかった時代、子供の無事を願う人々にとって、この道祖神が身近な祈りの場であったことがうかがえます。
寄り添う二神の独特な造形だけでなく、地域の人々が病から子供を守ろうと願った信仰の歴史も今に伝える道祖神です。